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長崎原爆の復興期描く映画「祈り」 広島市内での上映会要望 市長に監督

 長崎原爆の復興期を生き抜いた被爆者を描いた映画「祈り―幻に長崎を想(おも)う刻(とき)―」の松村克弥監督(59)が25日、広島市役所で松井一実市長と面会し、市内での上映会の開催を要望した。昨年から長崎市内の公共施設などで巡回上映しているといい、同じ被爆地での公開に期待を寄せた。

 映画は、戦後間もない長崎市を舞台に、原爆で崩壊した浦上天主堂からマリア像を盗もうとしたカトリック信徒たちを描いた人間ドラマ。俳優の高島礼子さんと黒谷友香さんが、主人公の2人の被爆者を演じ、平和への祈りを発している。

 長崎市出身の劇作家田中千禾夫さんの戯曲を原作に、映画制作会社が映画化。昨年8月から全国各地の映画館などで公開されている。松村監督は「来年は広島サミットも開催される。広島でも上映し、世界中の人に見てもらいたい」と訴えた。松井市長は「平和を求める気持ちを確認し合える活動は重要だ」と応じた。県内では来年、府中市が上映会を企画しているという。(川上裕)

(2022年8月26日朝刊掲載)

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