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紛争地の現状 母親らに訴え 光で安田さん講演

 難民問題や貧困、差別をテーマに取材するフォトジャーナリスト安田菜津紀さん(35)が28日、山口県光市島田の市民ホールであった県母親大会(中国新聞防長本社など後援)で記念講演した。県内の約250人の母親たちに、紛争地や被災地で出会った人々のメッセージなどを伝えた。

 安田さんはロシアの軍事侵攻を受けるウクライナで取材した。重傷を負い、夫を亡くした女性が発した「孫世代たちにとって爆撃や銃撃の音が届かない平和な空がいい」との言葉を、写真を見せながら紹介した。

 内戦が続くシリアの避難民キャンプではウクライナの支援を優先するため、支援団体が現地を後にした現状を説明。「情報や報道の格差は支援、命の格差につながってしまう」と強調し「関心を寄せられないことで追い詰められている人がいる。身近な人と共有し、足元から支援の輪を広げてもらえたら」と呼びかけた。(山本真帆)

(2022年8月29日朝刊掲載)

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