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核廃絶や戦争反対 共に訴え カザフ元留学生と日本の若者 オンラインでシンポ

 旧ソ連が核実験を繰り返したカザフスタンの元留学生と日本の若者が交流するシンポジウムが29日夜、広島市中区の広島国際会議場と各地をオンラインで結んで開かれた。市民団体「ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト」(ヒロセミ)主催で約30人が参加。核兵器廃絶や戦争反対の訴えで協力し合うと誓った。

 ヒロセミが山陽女学園高等部(廿日市市)への受け入れを支援した3人はいずれもオンラインで加わった。2000~01年に留学したアケルケ・スルタノワさん(39)はトルコの大学などで教壇に立ち、原爆の歴史を伝えていると報告し「少しでも戦争や原爆はいけないと考える人を増やしたい」と話した。

 ヌルダナ・アディルハノワさん(27)は10~11年の留学を振り返り「故郷の被曝(ひばく)の悲劇を広島で共有できた」と強調。ロシアのウクライナ侵攻を受け「平和のメッセージをもっと幅広く伝えたい」と訴えた。

 ヒロセミのツアーでカザフスタンを訪れ、核実験被害を学んだ日本の若い世代は、障害者福祉の仕事をしたり、身近な人にカザフスタンの歴史を教えたりしている近況を語った。(明知隼二)

(2022年8月31日朝刊掲載)

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