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「核削減に貢献」 首相 ゴルバチョフ氏悼む

 岸田文雄首相は31日の記者会見で、冷戦終結に貢献したゴルバチョフ元ソ連大統領の死去を受け「謹んで哀悼の意を表したい」と述べた。被爆地広島、長崎を訪問したことなどにも触れ「核廃絶に賛同する世界のリーダーとして大きな功績を残された」とたたえた。

 「第2次世界大戦後の欧州の分断と、東西対立の克服に重要な役割を果たした」と指摘。ゴルバチョフ氏が有していたものとして「大きな戦略的ビジョンと果断な実行力」を挙げた。

 被爆地広島に地盤を置く岸田首相がとりわけ目を向けたのは、核廃絶に賛同する姿だった。ゴルバチョフ氏は米国との間で核兵器削減に向けた条約に署名し、1991年に長崎、92年には広島を訪れた。

 首相は著書「核兵器のない世界へ」で、核廃絶という山頂に導く「シェルパ役」として、オバマ元米大統領とともにゴルバチョフ氏に期待を寄せていた。(樋口浩二)

(2022年9月1日朝刊掲載)

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