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原爆で未配達の手紙・反ロシアの切手… 貴重な郵便史料 一堂に

南区で3・4日スタンプショウ

 西日本最大級の切手展「スタンプショウ広島」が3、4の両日、広島市南区比治山本町の県立広島産業会館西展示館である。広島、長崎の原爆で配達できなかった「罹災(りさい)戻し」の郵便物、戦争の歴史を刻むウクライナの切手など、郵便にまつわる貴重な史料が並ぶ。入場無料。

 全国の収集家が持ち寄った約6千点を展示する。戦争の影響で差出人に戻された手紙など16点は、空襲や航路途絶で混迷した当時の郵便事情を今に伝える。原爆投下後、広島市内の個人に宛てられた安否確認のはがきには広島駅前局の「戦災ノタメ転居先不明」のゴム印が押されている。

 ウクライナ関連では、ドイツに占領された時代にヒトラーの肖像画の切手が使われた例や、反ロシアをテーマにデザインした今年4月発行の切手が目を引く。

 愛好家でつくる実行委員会などが企画。実行委員長の槙原晃二さん(67)=安芸区=は「歴史的な背景まで見える切手の奥深さを知ってほしい」と来場を呼びかけている。

 3日は午前10時~午後5時、4日は午前9時~午後3時。(馬場洋太)

(2022年9月3日朝刊掲載)

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