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目撃・苦情が最多579件 島根県西部の米軍機低空飛行訓練 1~10月

 島根県西部で相次ぐ米軍機の低空飛行訓練について県は6日、2013年1~10月の目撃と苦情の件数を明らかにした。579件と過去最多だった12年の1年間(562件)を上回った。「騒がしい街頭」の音量に相当する70デシベル以上の騒音測定回数も千回を超え、地元の再三の中止要請にもかかわらず、訓練が繰り返される実態が示された。(樋口浩二)

 目撃と苦情は、県西部の3市2町の住民と職員から寄せられた。多い順に浜田市298件▽邑南町184件▽益田市66件▽江津市19件▽川本町12件―だった。

 訓練の実情をデータで裏付けるため、県と浜田市、邑南町は11年12月~13年4月に騒音測定器計12器を3市2町に設置。国も8月、県内で初めて浜田市に設けた。計13器が観測した「70デシベル超え」の騒音は1~10月に計1129回と1日平均3・7回に達した。

 70デシベル超えの測定時間帯は、午前8時9分~午後10時半。昼夜問わず訓練が実施されていたことを示す。音量が最大だったのは5月15日、益田市匹見総合支所の104・9デシベル。電車通過時のガード下に匹敵する音量という。

 低空飛行をめぐっては、1月に浜田市の民家で窓ガラスが割れた実害に加え、精神不安を訴える子どもやお年寄りも相次いでいる。県防災危機管理課は「地元住民の声は切実。国は自前の測定器を設置した以上、早く具体的な対策に乗り出してほしい」と求めている。

(2013年12月7日朝刊掲載)

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