×

ニュース

「平和な世界へ」 核兵器廃絶願う 山口 追悼式典に70人参列

 山口市の県原爆被爆者支援センターゆだ苑は7日、同市江良の原爆死没者之碑前で追悼・平和式典を開いた。会場の周辺で被爆軍人の遺骨の発掘を始めた6日の「山口のヒロシマデー」に合わせて開き、約70人が核兵器廃絶を願った。

 新型コロナウイルスなどの影響で碑の前で開くのは3年ぶり。台風の影響で1日ずらした。参列者は黙とう後、花を手向けた。記載の希望があった7人の名前を加えた計841人分の死没者名簿と、1人の分骨を納骨堂に納めた。八代拓理事長は平和宣言で「核の傘で安全保障を追求した国と、そうでない国とが対立に至らないよう、対話による合意形成を模索し続けるべきだ」と述べた。

 爆心地から1・5キロの広島市幟町(現中区)で被爆した藤谷カホリさん(78)=岩国市=は「一緒に被爆した叔父は大やけどを負った。争いのない平和な世界になってほしい」と願った。周南市の外山貴子さん(67)は、爆心地から2キロの広島市横川町(現西区)で被爆した母平田恵美子さんを昨年93歳で失った。ロシアのウクライナ侵攻も踏まえ「戦争は悲しみと怒りしか残らない」と訴えていた。(山下美波)

(2022年9月8日朝刊掲載)

年別アーカイブ