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一時帰郷の「広島大仏」 あす本通り商店街で披露

 奈良から一時帰郷している「広島大仏」が10日、広島市中区の本通り商店街である「出開帳大行列」で披露される。原爆犠牲者を慰霊するため、1950年代に市内の寺でまつられた被爆地ゆかりの大仏。県内の僧侶や企業経営者でつくる実行委員会が「広島で親しまれていた大仏を見てもらい、平和を祈る機会に」と企画した。

 午後1時半にアリスガーデン(中区)である出発式の後、台車に載せた大仏がロープで引かれて商店街を西へ進む。約1時間かけて平和記念公園(同)まで進み、折り返して3時半ごろアリスガーデンに戻る。

 金箔(きんぱく)を施した木製の阿弥陀如来坐像(ざぞう)で高さ2・5メートル、重さ約400キロ。1200年代の作とされ、1950年に原爆ドーム(同)そばの西蓮寺に安置されたが、60年ごろ所在不明になった。現在は奈良県の極楽寺が2004年ごろから所有している。

 7月1日から今月1日までおりづるタワー(同)で一般公開されていた。12日から1カ月ほど大聖院(廿日市市宮島町)でお披露目され、その後、極楽寺に戻される。(久保友美恵)

(2022年9月9日朝刊掲載)

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