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ポップ音楽はいつも人々に寄り添う 佐野元春 アルバム2作 今年発表

社会混迷 精力的に活動

 デビューから42年、ロックミュージシャン佐野元春(66)の精力的な活動が目立っている。4、7月と立て続けに新作アルバムを発表。「悲しい戦争が起き、世界は楽観できない。でもポップ音楽はいつも人々に寄り添う」と力を込める。

 4月に「ENTERTAINMENT!」、7月に「今、何処(Where Are You Now)」をリリース。年間2作のフルアルバムは長いキャリアで初めてだ。

 「今、何処」では全14曲を作詞、作曲、編曲した。佐野は「聴き手にとって未来のビジョンを描く助けになる曲たち」とほほ笑む。このうち「大人のくせに」は、「ひとりだってずっと歩いてけるぜ/そうさ、英雄もファシストも/いらない」と歌う。混迷を深める現代社会を生きる人々へのエールを、歌詞の端々に込めた。

 1960~70年代のロックやソウルなどを取り入れたアレンジや、生き生きとしたサウンドも魅力に挙げる。「演奏のダイナミズムが一番」と佐野。ライブと同様に「ザ・コヨーテバンド」のメンバー全員と演奏し、一発録音している。

 大ヒットアルバム「SOMEDAY」を出してからちょうど40年、創作意欲は衰えない。「世代を問わず、今を生きる人々の心をそっとサポートする。そんな音楽を作っていきたい」(木原由維)

(2022年9月10日朝刊掲載)

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