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被爆者の声 安来で共有 18日 「平和のつどい」で初 東広島の古家さん 動画で体験語る

 核兵器と戦争の根絶を願い、18日に安来市である「平和のつどい」(市などの実行委員会主催)で、広島の被爆者、古家美智子さん(80)=東広島市=が体験を語る動画が放映される。新型コロナウイルス対策で動画になったが、つどいで被爆者が証言するのは初めて。古家さんは「戦争は目に見える傷を残すだけではなく、人の心を抹殺する」と訴える。(高橋良輔)

 古家さんは3歳の時、爆心地から約1・2キロの現広島市中区橋本町で被爆した。天井の下敷きになり、顔の右側などに無数のガラス片が刺さったが、記憶はなく、両親から聞いて状況を知ったという。「元気で表現できる間に伝えないといけない」と決意し、2018年から語り部の活動をしている。

 平和のつどいでの証言は、平和に関する展示などをする安来市加納美術館を運営する財団の加納二郎理事長(80)と、古家さんが舟入高の同級生だった縁で実現。7月下旬に広島市中区の原爆資料館で撮影した約15分の動画を会場で流す。古家さんは被爆約30年後に頰から出てきて、資料館に保存されているガラス片(縦7ミリ横18ミリ厚さ1ミリ)を手に当時の様子を語り、「被爆体験と無縁の日は一日もなかった」と原爆の影響の深刻さを伝えている。

 安来市は14年に「市非核平和都市宣言」を制定。翌15年から、新型コロナの影響で中止した20年を除き毎年「平和のつどい」を開催し、今年で7回目となる。18日の午後2~4時、広瀬町の布部ふれあい体育館である。市民たちが平和のメッセージなどを書き込んだ約2千個のあんどんの展示なども予定されている。

(2022年9月11日朝刊掲載)

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