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ウクライナ侵攻 「無意味な戦争」 慶応大・広瀬教授が福山で講演

 中国新聞備後政経講演会(広島経済同友会福山支部、中国新聞備後本社主催)が10日、福山市霞町のまなびの館ローズコムであった。慶応大総合政策学部の広瀬陽子教授が「ウクライナ危機~その背景と影響」と題して語り、約130人が聞いた。

 ロシアによるウクライナ侵攻の背景について、広瀬教授は「プーチン大統領は北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)の拡大の動きが許せなかった」と説明。「被害者妄想に基づく無意味な戦争」と断じ、長期戦となる見方を示した。

 侵攻をサイバー攻撃や情報戦を交えた現代型の「ハイブリッド戦争」と解説。一方で、ウクライナの強い抵抗や北欧2カ国のNATO加盟申請を招き「ロシアにとって全てが誤算だった」と言及した。日本については「ウクライナの代わりに攻撃されていた恐れもある。安全保障を考える時だ」と指摘した。

 「今後の世界秩序が変わるのは間違いない。力による現状変更を許さないという点で世界は一致できた」として、新たな国際協調の構築に期待も込めた。(村上和生)

(2022年9月11日朝刊掲載)

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