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被爆の記憶を未来へ 広島 世界と考えるシンポ

 「広島・長崎の記憶―世界と共に考える次世代継承の道」をテーマにした国際シンポジウムが7日、広島市中区の広島国際会議場であった。広島市立大と長崎大核兵器廃絶研究センター、中国新聞社の主催。海外からのパネリストも交え、被爆や大虐殺の体験を未来にどう伝えていくか、意見を交わした。約430人が聞き入った。

 80万~100万人が虐殺の犠牲となったルワンダのキガリ・ジェノサイド記念センターのイヴ・カムロンジ副センター長は平和構築のため力を入れている教育を紹介し「よりよい未来を築くため過去から学んでいる」と強調。ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の舞台となった国立アウシュヴィッツ博物館(ポーランド)公認ガイドの中谷剛氏は「悲劇そのものだけでなく、偏見や差別など原因と時代背景、現代に及ぼす影響についても考えるべきでは」と指摘した。

 200万人近い犠牲者が出たとされるカンボジアのトゥール・スレン・ジェノサイド博物館のソピアロム・チェイ副館長は「虐殺への理解を深めてもらうため、各地域の高校を訪ねて教育展を開いている」などの取り組みについて話した。

 パネル討論では、この3人と広島平和研究所の水本和実副所長が議論。各地で起きた惨劇に関心を持ち、国境を超えて継承を目指すことで戦争や核兵器のない世界への道が開けるとの思いを確認した。原爆資料館の志賀賢治館長や、今年春、ジュネーブ(スイス)の国連本部を訪れたナガサキ・ユース代表団の長崎大生、中国新聞ジュニアライターら被爆地からの報告もあった。(二井理江)

(2013年12月8日朝刊掲載)

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