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家族の被爆 どう伝える 「ヒバク2世の語ろう会」活動開始 体験談のポイント紹介

 広島市の被爆2世でつくる証言活動の支援グループ「ヒバク2世の語ろう会」が、同市中区の大手町平和ビルで活動をスタートした。「家族の被爆体験談を語ろう」をテーマに証言活動のポイントなどを紹介。11日に初会合があり、被爆した親族に代わって体験を伝えるこつを学ぼうと市民ら21人が参加した。(秋吉正哉)

 語ろう会は被爆者の証言を第三者が受け継いで語る「被爆体験伝承者」3人が7月に結成した。今回は、代表の佐々木佐久子さん(72)=西区=が、自身が聞いた中で印象深かった被爆者の生の声を紹介。「『魚を焼くにおいで(多くの人が焼け死んだ)原爆投下後の惨状を思い出してしまう』といった言葉が聞く人に響く」と強調した。

 メンバーの水野隆則さん(64)=安佐北区=は、どんな伝承者になりたいかをイメージし、情報を整理して証言を組み立てることなどを助言した。

 市は本年度、親族の体験を伝える「家族伝承者」の養成を始めた。しかし、家族伝承者は存命の被爆者からの継承が前提。会は親族が亡くなったり、聞き取りが難しくなったりした人の支援も目的とする。安佐南区の菊池安芸子さん(56)は「母に体験を無理に思い出させまいと伝承者の応募は諦めたけれど、ここで学んで母の体験を受け継いでいきたい」と話していた。

 今回の活動には家族伝承者の研修生も多く参加し、学びを深めた。今後も会合を月1回程度開く。

(2022年9月13日朝刊掲載)

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