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敗訴一転 原爆症認定 広島の内藤さん 白内障手術考慮か

 白内障の原爆症認定を国に求めた訴訟を巡り2020年に最高裁で逆転敗訴した元原告で被爆者の内藤淑子さん(78)=広島市安佐南区=が先月に原爆症に認定されたことが12日、分かった。判決確定後に白内障の手術を受け、認定要件の「要医療性」を満たすと国側が判断したとみられる。

 内藤さんによると、20年2月の判決確定後、白内障の症状が悪化した右目の手術を受け、同年3月に改めて厚生労働省に原爆症認定を申請。今月9日、同省から8月29日付の認定を通知する文書が届いたという。「本当に長い道のりだった。認められて、うれしい」と話している。

 内藤さんは爆心地から2・4キロで被爆し、47歳で白内障と診断された。原爆症の認定申請を却下され、11年に広島地裁に提訴。一、二審ともに勝訴した。一方で最高裁では、点眼薬の使用などの経過観察は認定要件である「治療を要する状態」を満たさないとされ、敗訴した。(明知隼二)

(2022年9月13日朝刊掲載)

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