×

ニュース

「夕凪の街」外国語版ずらり 広島の思い さまざまな言語で 原爆資料館で企画展

 戦後の広島を懸命に生きる被爆者の女性を描いた漫画「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国」の外国語版の企画展が、原爆資料館(広島市中区)東館地下の情報資料室で開かれている。西区出身の漫画家、こうの史代さんの代表作の一つ。30日までで無料。

 作品は2004年刊行。被爆10年後の広島を舞台に、原爆が被爆者の心身に残した爪痕を繊細なタッチで描いている。これまでに英語やフランス語、ロシア語などのほか、中国語(繁体字)やベトナム語など計10言語に翻訳されている。

 企画展では、こうのさんが商業出版より前に制作していた同人誌版などを含め16冊を展示。それぞれ異なる装丁などを楽しめる。イタリア語版のみ手に取って閲読できる。同館は「この小さな本が、さまざまな言語で広島の思いを伝えていると知ってほしい」としている。

 現在、坪井公民館(佐伯区)でも作品の複製原画を展示している。(明知隼二)

(2022年9月14日朝刊掲載)

年別アーカイブ