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鉛筆で描く被爆前の街並み 17日から中区 故森冨さん原画26点展示

 被爆前の広島の街並みを細密な鉛筆画で残した被爆者の森冨茂雄さん(2021年に92歳で死去)の原画展「消えた町 記憶をたどり」が17~30日、平和記念公園(広島市中区)の被爆建物レストハウスで開かれる。17日午前9時半から開幕行事がある。入場無料。

 市民団体「ヒロシマ・フィールドワーク実行委員会」などが主催。県産業奨励館(現原爆ドーム)周辺などを描いた26点を展示する。初日の行事では、森冨さんの歩みや海外での展示状況について紹介。期間中、復興や記憶の継承をテーマに、国内外の専門家のトークイベントも開く。

 今の中区大手町で育った森冨さんは、原爆で家族5人を亡くした。被爆前の記憶を基に鉛筆画を描き、11年刊行の画集は、アニメ映画「この世界の片隅に」で参考にされた。実行委メンバーで広島大平和センターのファン・デル・ドゥース・瑠璃准教授は「ロシアのウクライナ侵攻が続く今こそ、戦争が人の営みを破壊すると知るきっかけにしてほしい」と来場を呼びかけている。(明知隼二)

(2022年9月14日朝刊掲載)

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