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岩国基地 機能強化か 米軍計画 燃料タンク・埠頭整備

 米軍が岩国基地(岩国市)に現在の5倍の量を備蓄できるジェット燃料タンクと、タンカーが着岸できる埠頭(ふとう)の整備を計画している。地元の市民団体が14日、基地の機能が強まるとして計画に反対するよう岩国市に求めた。

 米側の資料によると、基地内にある1万バレルのタンク3基を解体し、5万バレルのタンク3基を新たに造る。中型のタンカーが着岸できる係留施設や桟橋を基地南東部の港湾施設に設ける。10月以降に事業者を募集するとみられる。

 岩国基地は14日夕現在、タンクなどの整備について中国新聞の取材に回答していない。防衛省も「確認中」としている。

 市民団体「住民投票を力にする会」の藤本博司事務局長たちは14日、岩国市に「基地の機能強化に歯止めがかからない」と訴え、計画の情報収集などを求めた。市の穴水辰雄・基地政策担当部長は、計画について国を通して確認していると説明し「住民の生活に影響を及ぼすことにつながれば米側に求めていく」と述べた。

 岩国基地は、海軍の空母艦載機が2018年に移転し、海兵隊と合わせて約120機が所属する極東最大級の航空基地になっている。在日米軍基地で唯一、滑走路と港湾施設が隣接し、21年度には海軍を中心に延べ17隻の港湾施設への入港を岩国市は確認した。22年度も14日までに強襲揚陸艦など8隻が入り、大型の艦船の利用が活発化している。(有岡英俊)

(2022年9月15日朝刊掲載)

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