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日米友好の灯ともそう 「平和灯籠」を広島市に寄贈 米民間財団

 米国ポートランド市にある日本庭園を管理する民間の財団が14日、広島市へ「平和灯籠」1基を贈った。終戦9年後に日米友好を願って横浜市から寄贈され、現地で「ピースランタン」として親しまれる雪見灯籠の複製。中区の平和大通り緑地帯に設置され、平和を訴える両国の架け橋となる。

 平和灯籠は御影石製で、高さ1・3メートル。側面に英語で「恒久平和の灯をともす」と刻む。広島市は平和記念公園南側の緑地帯に据え、この日、財団関係者や市幹部たち約30人が参加した式典で披露した。

 ピースランタンは1954年に横浜市がポートランド市に寄贈。太平洋戦争後の米国内で反日感情がくすぶる中、ポートランド市民有志が日本文化を理解するために造った日本庭園に置かれ、友好のメッセージを伝えてきたという。

 こうした経緯から、財団は平和への願いを込め、2017年に横浜市、19年にポートランド市の友好都市の札幌市に複製を寄贈。3例目となる広島市へは被爆75年の20年に贈る予定だったが、新型コロナウイルス禍で延びていた。今月16日には長崎市にも贈呈する。

 財団の最高経営責任者(CEO)スティーブ・ブルームさん(53)は「平和記念公園そばに置いてもらえて光栄。灯籠が、被爆地から平和のメッセージを発信してほしい」と願っていた。(川上裕)

(2022年9月15日朝刊掲載)

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