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原発の危険性 被爆者が陳述 広島地裁の伊方訴訟

 広島の被爆者たちが四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求めた訴訟の口頭弁論が14日、広島地裁であった。原告の一人で、広島原爆の「黒い雨」による被爆者の高東征二さん(81)=広島市佐伯区=が意見陳述し、原発の危険性を訴えた。

 高東さんは4歳の時、観音村(現佐伯区)で原爆の閃光(せんこう)を目にし、ほこりや灰を浴びた。黒い雨による健康被害などに触れ、「黒い雨の被害者と原発被害者は放射性微粒子が体に入り、内部被曝(ひばく)を受けるという点では全く同じ」と主張。「伊方原発で事故が起きると、瀬戸内海を挟んでわずか100キロしか離れていない広島は内部被曝の危険にさらされる」と強調した。

 原告の一部は2016年3月、提訴と同時に運転差し止めを求める仮処分も申し立てた。広島高裁が17年12月に運転を禁じる決定をしたが、18年9月に異議審で覆った。

(2022年9月15日朝刊掲載)

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