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原爆小頭症 76歳の誕生会 きのこ会 笑顔で近況報告

 原爆小頭症の被爆者と家族たちでつくる「きのこ会」が18日、広島市東区の保養施設「神田山荘」とウェブ上で毎年1度の誕生日会を開いた。広島、廿日市、横浜市の小頭症被爆者5人が76歳を迎えたことを支援者とともに祝い、近況を語り合った。

 当事者の川下ヒロエさん(76)=広島市東区=はカボチャのケーキの火をせんすで消し、色鉛筆で仕上げたネコやドングリの絵を披露。「朝まで夢中で描いて寝るのが遅くなる時がある」と笑顔で話した。

 会場にはこの1年に亡くなった広島市の小頭症被爆者冨田敏春さんと佐久間和子さんの遺影が置かれ、参加者は黙とうをささげた。

 小頭症は母親の胎内で強力な放射線を浴びたことが原因で発症し、多くが知能と身体に障害がある。1965年に結成されたきのこ会には、これまで小頭症被爆者25人が在籍したが、現在は12人になっている。(宮野史康)

(2022年9月19日朝刊掲載)

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