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被爆前の街 鉛筆で精緻に 森冨さん原画展 レストハウスで開始

 被爆前の広島市の街並みを細密な鉛筆画で残した被爆者の森冨茂雄さん(92歳で昨年死去)の原画展「消えた町 記憶をたどり」が17日、中区の平和記念公園にある被爆建物レストハウスで始まった。30日まで。無料。

 森冨さんは爆心直下になった現在の中区大手町で育ち、原爆で家族5人を奪われた。会場には、県産業奨励館(現原爆ドーム)周辺の街並みや、大正屋呉服店(現レストハウス)などが並ぶ元安橋西詰めを描いた鉛筆画25点を展示。幼少期の記憶を基に、店の看板や街灯も克明に描写している。

 市民団体「ヒロシマ・フィールドワーク実行委員会」などの主催。開会行事で、長男一三(かずそう)さん(65)=安佐南区=は「描かれた子どもの頃の思い出は、父の宝だったと思う。絵を通じ、平和でないと得られない日常の大切さをかみしめてほしい」と願った。(水川恭輔)

(2022年9月18日朝刊掲載)

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