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「ケロカス」コイ党中傷 ネット書き込み 被爆者怒りの声

 広島東洋カープのファンたちをインターネット上で中傷する際、広島が原爆被害に遭ったことをからかうような「ケロカス」という造語が一部で使われている。被爆した人のやけどの痕であるケロイドとカスを組み合わせたとみられる。広島の被爆者たちから怒りの声が上がっている。

 交流サイト(SNS)には、試合内容などを巡り「ケロカスは黙ってください」といった書き込みが数年前から最近まで多く確認できる。一方で「ケロカス発言は許せん」「後遺症に苦しんでいる人がまだ現代にも居る」など、使用をやめるように強く迫る書き込みも目立つ。

 「あまりに差別的、侮辱的な言葉だ。怒りがこみ上げる」。広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(80)は憤る。ケロイドが残った被爆者の心身の痛みや戦後の苦難を強調し、「核兵器廃絶を願う被爆者の思いを受け止め、応援してほしいのに」と声を落とす。

 もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(77)も「ひど過ぎる。注目を浴びるためなら、傷つく人がいても何を言ってもいいと思っているのか」と怒りをあらわにした。

(2022年9月18日朝刊掲載)

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