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核廃絶へ期待の声 被爆者、原爆資料館で懇談 ケネディ大使 長崎訪問

 ケネディ元大統領の長女として抜群の知名度と発信力を持つケネディ駐日米大使。10日、ケネディ氏の思いや人柄に触れた長崎の被爆者からは「核兵器廃絶に向けた一歩になる」と期待の声が上がった。

 長崎市の原爆資料館であった被爆者との懇談には、長崎大の土山秀夫元学長と日本赤十字社長崎原爆病院の朝長万左男院長(70)たちが出席。被爆体験や、原爆放射線が人体にもたらす影響などを説明した。

 土山氏は「熱心にメモを取っていた姿が印象的だった。お父さんが挑んだ核問題に真正面から取り組んでいきたいという姿勢を感じた」と振り返った。

 ケネディ氏は2人に「被爆2世への健康的影響はどうか」と尋ねたという。朝長氏は「今後10年、20年の観察が重要で、被爆者には今も障害に苦しむ人がいると伝えた。原爆は過去の問題ではないと強く認識されたはずだ」と強調した。

 平和公園での献花は市民や観光客100人以上が見守った。ケネディ氏は観衆に歩み寄り、握手やあいさつを交わした。爆心地から1・2キロで被爆した長崎県時津町の三田良一さん(83)は「米国に恨みがないとは言わないが、大使の力で被爆者が願う平和な世の中に近づけてもらえるなら歓迎だ」と話した。(藤村潤平)

(2013年12月11日朝刊掲載)

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