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岩国市長の姿勢ただす声 判断への評価も 米給油機岩国先行移転容認

 山口県の岩国市議会は10日、一般質問を行い、KC130空中給油機の米海兵隊岩国基地への先行移転容認を表明した福田良彦市長の姿勢をただす問いかけが相次いだ。「結論を急ぎすぎ」と慎重な意見が上がる一方で、基地問題に協力的な姿勢をとってきた会派からは判断を評価する声も出た。(大村隆)

 一般質問では6人のうち3人が給油機関連を質問。これまで市の姿勢に同調してきた公明党議員団(4人)の越沢二代氏は「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設の見通しが不透明な中、結論を急ぎすぎたのではないか」と疑問を呈した。

 村田光洋政策審議官は「沖縄県知事たちの期待感などを総合的に判断した。結論を急いだ訳ではない」と答えた。

 移転問題に「慎重な姿勢」をとり続けてきた清風クラブ(4人)の石原真氏は「(移転後の)騒音変化の有無を市民に丁寧に説明する必要があるのではないか」と指摘。市側は「議会の議論を通じて市民にも届いている」として、新たな説明の場を設ける考えがないことを明らかにした。

 一方、憲政会(5人)の松本久次氏は、普天間移設の見通しが立たない中での福田市長の判断を「苦渋の決断だったはず」と分析。「普天間の負担軽減が一歩でも二歩でも前進すると思う」と評価した。

 福田市長は9日の市議会全員協議会で、来年6~9月に先行移転させることを容認する姿勢を示した。同市議会では、全協での質疑などを通じ、批判の声が上がる一方で、基地問題に協力的な姿勢をとってきた会派を中心に政府方針に理解を示す声も広がっている。

(2013年12月11日朝刊掲載)

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