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自民議員参列し追悼 中国地方選出 野党からは厳しい声

 安倍晋三元首相の国葬が営まれた27日、中国地方選出の国会議員はさまざまな思いで受け止めた。参列した自民党議員から安倍氏を悼む声が相次ぐ一方、野党の7人は全員欠席。閣議決定で国葬を決めた岸田文雄政権に厳しい目を向けた。

 安倍氏の実弟で自民党の岸信夫氏(山口2区)は、会場の前列に座った。終了後、事務所を通じ「国葬が無事に執り行われたことを親族の一人として大変誇らしく思います。兄のために祈りをささげていただいた全ての皆さまに心から感謝申し上げます」とのコメントを出した。

 同党の宮沢洋一氏(参院広島)は、妹が学生時代に安倍氏とアーチェリー仲間だったのが縁で、付き合いは50年近くに及んだ。安倍内閣では経済産業相としてアベノミクスを支えた。「早く亡くなられたことは大変残念。お世話になった」としのんだ。

 同党の平口洋氏(広島2区)は「簡素ながらも立派な国葬だった。海外から大勢の人が一堂に会し、元首相をたたえたのは金銭に換えがたい価値がある」と評価した。開催を巡り世論を二分した点には「国葬の基準はきちんと議論しなければ」と注文を付けた。

 「反対が賛成を上回っていることは残念だ」と苦言を呈したのは同党の石破茂氏(鳥取1区)。「(安倍氏の下で)党幹事長、大臣として4年働いたので儀礼として当然行くべきだと考えた」としつつ「政治家を国葬の対象にするのはいかがなものか」とも語った。

 野党議員からは厳しい声が上がった。議員会館の事務所でテレビ中継を見た立憲民主党の森本真治氏(参院広島)は「世論が分断された状況では参加できない」。政府に対しては「丁寧な説明をしていない。強い怒りがある」と語った。

 日本維新の会の空本誠喜氏(比例中国)は体調不良を理由に急きょ欠席。首相の弔問外交には「ウクライナ情勢やエネルギー問題など山積する課題にどれだけ成果が出るのか」と疑問も投げかけた。(中川雅晴、境信重、口元惇矢)

(2022年9月28日朝刊掲載)

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