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地元山口 功績しのぶ 事務所・県庁 献花や半旗掲揚

 安倍晋三元首相の国葬があった27日、あるじのいない地元下関市の事務所はひっそりとし、時折、山口県内外からの弔問客の姿が見られた。中には涙を流す支援者もいた。県庁には哀悼の意を表す半旗が掲げられ、生前の功績をしのぶ県民もいた。

 安倍氏の事務所内には遺影を飾った献花台がある。花を手向けた下関市の会社員男性(75)は「土木関係の仕事で親の代からお世話になった。ありがとうございましたと感謝の気持ちを伝えた。本当に悔しい」と雨の中で涙を拭った。北九州市から訪れた会社員女性(38)は「外交や女性活躍などで大きな仕事をされた。一国民として感謝を込めて献花した」と話した。

 山口県庁には雨がやんだ午後1時過ぎに国旗と県旗の半旗が掲げられた。国葬が始まった後も職員は淡々と業務を続け、1階の玄関ホールのテレビでは中継が小さな音量で流れていた。定例会が開会中の県議会もこの日は休会で、議会棟は静まり返っていた。

 安倍氏の国葬にはお膝元の県内でも賛否の声がある。賛成派の周南市の山本雅夫さん(82)は「海外を渡り歩き、国際的な信頼関係を築くなど日本の存在感を示してくれた。国葬に対してさまざまな意見はあるが、前向きに送り出してあげられたら」と願っていた。(安部慶彦、山本真帆)

(2022年9月28日朝刊掲載)

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