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北朝鮮招請を断念 IPPNW広島会議

■記者 東海右佐衛門直柄

 核戦争防止国際医師会議(IPPNW)日本支部は25日までに、8月に広島で開く初の南・北アジア地域合同会議に、北朝鮮支部を招請することを断念した。北朝鮮が5月末に核実験を実施したため「受け入れが困難になった」と判断した。

 日本支部によると、北朝鮮側は昨年末の時点では出席に前向きだったが、その後は連絡がないという。5月末の核実験を受け、北朝鮮からの非政府組織(NGO)のメンバーへの入国許可が下りない見通しとなり、受け入れを断念した。

 南・北アジア地域の合同会議は8月22、23の両日、中区の広島国際会議場である。被爆医療にかかわる医師や国際政治の専門家約500人が「核兵器廃絶、今こそ好機」をテーマに討議する。核開発をめぐり、国際的に孤立を深める北朝鮮が参加するかどうかが注目されていた。

 北朝鮮は1996年、IPPNWに正式加盟し、北アジア地域会議には1999年と2007年に参加。広島市であった2005年は直前にキャンセルしている。

 IPPNWの柳田実郎国際副評議員は「核兵器の破壊力を重視する北朝鮮に、放射線被害のむごさを見てほしかった。残念だ」と話している。

(2009年6月26日朝刊掲載)

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