×

ニュース

原爆症認定制度見直し 首相に範囲拡大要望へ 広島市長

 広島市は11日、松井一実市長が16日に首相官邸を訪れ、厚生労働省が進める原爆症認定制度の見直しについて、安倍晋三首相の政治判断で被爆者救済の範囲を広げるよう要望すると発表した。

 厚労省は16日午後、医師たちで構成する被爆者医療分科会に新しい認定基準案を諮る。それに先立ち松井市長は同日午前、田上富久長崎市長とともに官邸で加藤勝信官房副長官と面会する。

 病気と原爆放射線との関連(放射線起因性)を判断する上で科学的知見だけを重視せず、高齢化した被爆者に寄り添う踏み込んだ援護策を講じるよう、安倍首相宛ての要望書を手渡す。

 新基準案は、同省の有識者検討会がまとめた最終報告に沿った内容となると田村憲久厚労相が6日の会見で示唆。がん以外で積極認定している主な病気ごとに被爆条件を細かく設定する見通しで、日本被団協は「がん以外の病気の認定範囲が狭くなる」と批判している。広島市原爆被害対策部は「両市長の考えをしっかり伝え、政治判断を求める」としている。(岡田浩平)

(2013年12月12日朝刊掲載)

年別アーカイブ