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ヒロシマの表現 再挑戦 Chim↑Pom 旧日銀支店で個展

 東京を拠点に活動するアーティスト集団「Chim↑Pom(チン↑ポム)」が、広島市中区袋町の旧日本銀行広島支店で個展を開いている。2008年、広島市上空に飛行機で「ピカッ」と煙の字を描き、批判を浴びて中止した広島展の再チャレンジを意識した企画だ。17日まで。

 08年の反省を踏まえ、リーダーの卯城竜太さん(36)は「広島の人と時間をかけて共作した展覧会」と話す。今夏に広島で準備展を開いて協力者を広げ、展示作業にも地元の学生たちが多く関わった。福島第1原発事故がテーマの作品も含め、20点が並ぶ。

 被爆建物の会場に組み上げた新作「PAVILION」は、高さ6メートル余りの折り鶴の山。内部に透明なアクリル板で囲った部屋があり、折り鶴の圧倒的な量を中からも実感できる。折り鶴の代わりにツルの模型をつなげた「リアル千羽鶴」は、かつて広島展のために作り、中止で展示できなかった作品だ。

 「ピカッ」の字を描くさまを記録した映像作品も、広島で初披露した。ただ、これらヒロシマを扱った作品より、むしろフクシマを扱った作品に強度がある。

 建物の外壁に展示した「レッドカード」は、事故で無残な姿をさらす原発に「退場」を告げる写真作品だ。現場の作業員にメンバーが応募して作った。福島県相馬市の津波被災地で、メンバーが現地の若者と声を張り上げる映像作品「気合い100連発」は、がれきの街に命の歓喜を呼び覚ます。

 「08年の広島での体験があったからこそ、フクシマに機敏に反応できた」と卯城さん。したたかで力強い歩みを映す個展だ。「次は米国で、このシリーズ展を開きたい」とも話す。(道面雅量)

(2013年12月12日朝刊掲載)

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