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ウクライナに思い届く 広島文化学園大生へ現地から感謝の手紙 寄付金は救助活動に

 広島文化学園大学芸学部(広島市安佐南区)の学生の元に、ウクライナ中部のジトーミル州の消防救助局から感謝の手紙と写真が届いた。学生たちが集めた寄付金はレスキュー隊員用の安全靴などの購入に充てられ、救助活動に役立てるという内容。学生たちは「今後も現地の人たちの力になりたい」と力を込める。(新本恭子)

 「皆さまからの寄付のおかげで、緊急事態にある住民を助けることができます」。8月下旬、現地の消防救助局から届いた礼状には、ロシアの侵攻を受け、奮闘する隊員の思いがつづられていた。「戦争が起きているこの困難な時期に、レスキュー隊員は常に厳しい環境で働いています」と伝えている。

 安全靴など支援物資を前にした隊員の集合写真も添えられていた。募金に携わった2年島袋麗穂(りほ)さん(21)は「写真では穏やかな表情だが、大変な状況だと思う。これからも何かの形で支えていきたい」。小児向けの医療物資が入った段ボールを受け取る医師の写真も届いた。

 募金は同学部子ども学科の学生約40人や教員でつくる実行委員会が3月上旬に開始。8月半ばまでに126件、計197万7100円が集まった。大学近くの小学生や園児も寄付者への返礼品とする折り鶴作りで協力した。支援物資は寄付金を委ねたドイツの非政府組織(NGO)が現地の機関や病院に届けたという。

 同大の伊藤駿講師(29)がウクライナを研究で訪れたことが縁で、交流は侵攻前から続く。伊藤講師は「学生はすぐに行動を起こし、誰かの役に立つ体験をした。今後も困っている人にそれぞれの立場で寄り添える人間でいてほしい」と話している。

(2022年10月3日朝刊掲載)

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