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台湾問題「対話に期待」 林外相 日中正常化50年踏まえ

 林芳正外相は30日、東京都内の日本記者クラブで会見した。29日の日中国交正常化50周年を踏まえ、台湾海峡の平和と安定に向け中国との対話を重視する考えを重ねて強調し、「対話で平和的に解決されることを期待する。わが国の一貫した立場だ」と述べた。来年5月に被爆地広島である先進7カ国首脳会議(G7サミット)にも言及した。

 今年8月、台湾周辺で中国が軍事演習を行い日本の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイルを撃ち込んだことに「国際社会の平和と安定に重大な影響を与える」と懸念を表明。今後の日中関係に関し「沖縄県・尖閣諸島情勢を含め、多くの課題や懸案に直面している。ハイレベルでの意思疎通が重要だ」と語った。

 広島サミットを巡ってはロシアによるウクライナ侵攻などを踏まえ「国際社会が次の時代の秩序形成を迫られる中、日本が主導して世界が進む方向を示す」と訴えた。岸田文雄首相が核兵器のない世界に向け、提唱している核戦力の透明性向上など5項目の行動計画「ヒロシマ・アクション・プラン」については「現実的かつ実践的な取り組みを着実に進める」と述べた。(口元惇矢)

(2022年10月1日朝刊掲載)

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