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「戦艦大和の主砲削り出し」 大型旋盤 展示施設を着工

 広島県呉市は4日、大和ミュージアム(宝町)の敷地内で、戦艦大和の主砲を削り出したとされる大型旋盤の展示施設の整備に着手した。来年2月末に完成、3月に公開の予定。ものづくりの街、呉の伝統を発信する。

 旋盤は、世界最大級だった口径46センチの大和の主砲を削り出したとされる。1938年、旧日本海軍がドイツから輸入。呉海軍工廠(こうしょう)で使われ、戦後は民間会社に払い下げられた。2020年、所有する兵庫県明石市の業者から呉市に寄贈の申し出があった。

 一部分解されているが、長さ約16メートル、重さ約160トンの巨大さ。工作物を取り付ける円形の面盤は直径3・2メートルという。ミュージアム駐車場の西側に約100平方メートルの平屋を建設し、塗装するなど使用当時の姿を再現して設置する。風雨を防ぐガラス張りで、周囲から見学できるようにする。 建設費が約8800万円、輸送設置費が約6千万円。市が費用をクラウドファンディング(CF)で募ったところ、目標の1億円を上回る約2億7千万円が寄せられた。11月中に兵庫県内から海上輸送する予定。同ミュージアム学芸課は「たくさんの支援があり、期待を感じる。できるだけ早く見てもらえるよう取り組む」としている。(仁科裕成)

(2022年10月5日朝刊掲載)

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