×

ニュース

上関原発の入会権認めず 広島高裁、原告の控訴棄却

 中国電力の上関原発建設予定地に当たる山口県上関町四代地区の山林をめぐり、原発に反対する住民男性(86)が入会権の確認を求めた訴訟の差し戻し控訴審の判決が12日、広島高裁であった。宇田川基裁判長は請求を棄却した山口地裁判決を支持、控訴を棄却した。男性は最高裁に上告受理を申し立てる方針。

 訴状などによると、山林は地区の八幡宮が中電に売却した約10万平方メートル。入会権は住民が特定の山林や原野を共同で使い、草やまきの採取などができる慣習上の権利を指す。男性は「山林は住民が個人から購入した。八幡宮は名義上の所有者にすぎず、住民に入会権がある」と主張した。

 宇田川裁判長は「住民が購入代金を出した証拠がない。土地の使用は八幡宮の維持管理のためだった可能性も否定できず、入会権の行使としては認められない」と退けた。

 男性は2004年11月、入会権の確認などを求めて提訴。一審山口地裁岩国支部は請求を全て却下し、男性が控訴した。二審広島高裁は入会権確認を山口地裁に差し戻し、その他の請求は棄却。入会権確認について同地裁は昨年12月、請求を棄却し、男性が控訴した。

 中電上関原発準備事務所は「当社の主張が認められた妥当な判決」とのコメントを出した。(根石大輔)

(2013年12月13日朝刊掲載)

年別アーカイブ