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デモ音量「悪影響」66% 8・6式典 参列者調査 昨年から21ポイント増 広島市 団体側に抑制要請へ

 広島市が8月6日に平和記念公園(中区)で開いた平和記念式典の参列者へのアンケートで、拡声器を使った市民団体のデモの音が聞こえたという回答者のうち66・4%が「式典への悪影響がある」と受け止めていた。昨年の調査と比べて21・3ポイント増えており、市は式典中に音量を抑えるよう団体側へ要請する。

 会場で参列者2020人にアンケート用紙を配り、1251人が答えた。拡声器の音を聞いた1134人のうち「式典への悪影響がある」としたのは66・4%に上る一方、「影響はない」は21・2%(昨年比16・0ポイント減)で昨年の7・9ポイント差から拡大した。時間帯は岸田文雄首相のあいさつ中が88・9%で最多だった。

 市は昨年6月施行の市平和推進基本条例で、式典を「厳粛の中で行う」と規定。市民団体に対し、拡声器から10メートル地点の音量を広島県条例の規制を踏まえ、85デシベル以下にするよう要請した。当日、会場周辺の10カ所で音量を測り、デモルート上の7カ所で最大87~105デシベルを記録。85デシベルを超える時間は通算11分と昨年より2分長かった点などが、今年の参列者の受け止めに影響したとみている。

 全回答者へ音量への対応を問うたところ「関係者と話し合いを続けるべきだ」が42・8%(16・2ポイント減)、「条例などで規制すべきだ」が34・8%(23・3ポイント増)で差は昨年から縮まった。

 一方、黙とうからこども代表の「平和への誓い」までは市民団体が拡声器を使わず85デシベルを超えなかった。市民活動推進課は「市民団体が自主的に音量を控えた時間帯もあった。静かな環境で挙行できるよう働きかけを続ける」としている。(余村泰樹)

(2022年10月6日朝刊掲載)

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