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原爆症新基準に被団協懸念 自民議連に伝達

 原爆症認定制度の見直しをめぐり、日本被団協と自民党の「被爆者救済を進める議員連盟」が13日、党本部で懇談した。がん以外の主な病気の認定を爆心地から約2キロ以内などとする議連の提言を踏まえて厚生労働省が新たにつくる基準案について、被団協は「司法判断との隔たりは埋まらない」と懸念を伝えた。

 被団協のほか、原爆症認定集団訴訟全国原告団、同訴訟全国弁護団連絡会のメンバー計11人が参加。議連は、河村建夫会長(山口3区)や平口洋事務局長(広島2区)たち4人が出席した。

 心筋梗塞や肝炎・肝硬変などについて、爆心地から約2キロ以内の被爆者を積極的に認定する内容の提言について、河村氏は「厚労省は大筋受け入れる」との見通しを説明した。

 被団協の田中熙巳(てるみ)事務局長は「議連の提言通りでは訴訟を起こす被爆者が後に続くことになる。遺憾だ」と批判。中川重徳弁護士は「2キロ以上で被爆しても急性症状が出た人がいる。新しい基準が出ることで認定の範囲が硬直化してしまう恐れがある」と指摘した。

 河村氏は「基準を見直しても訴訟が続くようでは(集団訴訟の終結と引き換えに制度改正するという)皆さんとの約束を果たしたことにならない」と強調。法改正を含めたさらなる制度見直しを今後も検討していく考えを示した。(藤村潤平)

(2013年12月14日朝刊掲載)

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