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在外被爆者相談 3年ぶりに再開 広島県、3都市に医師派遣

 広島県は29日から在外被爆者の健康相談を米国とカナダ、ブラジルの3都市で始める。毎年度、南米と北米へ交互に医師を派遣していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年度から中断しており、3年ぶりに再開する。今回は被爆者の高齢化や要望を踏まえ両地域を訪問する。

 健康相談は国の在外被爆者支援事業の一環。11月12日までの日程でサンパウロ(ブラジル)ロサンゼルス(米国)バンクーバー(カナダ)で順次開く。県医師会の松村誠会長たち4人の医師が被爆者が事前に現地で受けた健康診断の結果を日本語で解説し、健康上の助言をする。

 県と広島市、長崎市の職員計5人も同行し、被爆者支援の制度や手続きの相談に応じる。サンパウロでは現地の医師を対象にした医療研修会も開く。

 健康相談は1977年度に北米で始まり、85年度から南米も加わった。2019年度の北米訪問を最後に中断していた。

 厚生労働省によると、22年3月末時点の在外被爆者数は北米620人(米国592人、カナダ28人)、南米83人(うちブラジル76人)。松村会長は「健康相談を待ち望んでいた被爆者の気持ちに寄り添いたい」としている。(平田智士)

(2022年10月6日朝刊掲載)

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