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平和願う「回天」証言映画 周南の顕彰会製作へ 米上映も構想

 旧日本軍の特攻兵器「回天」の搭乗員を追悼する活動をしている周南市の回天顕彰会は、ドキュメンタリー映画を初めて作る。訓練基地があった同市大津島など全国でロケし、証言の聞き取りを収め、来年末に完成させる。平和の尊さを伝える教材を目指し、米国でも上映したい考えだ。

 元搭乗員たちで全国回天会を設立し、2006年に亡くなった小灘利春氏に焦点を当てる。遺族たちに取材し、防衛省にも協力を求める。関係先を調べ、年明けに撮影を始める。作品は60分を想定。顕彰会メンバーを中心とするプロジェクトとして製作する。

 映画づくりは、回天の攻撃を受けて沈んだ米艦の元乗組員を父に持つ歴史家男性との交流がきっかけとなった。男性から提供を受ける米艦などの映像も作品に盛る。完成後は米国に持ち込み、上映の様子を別の作品に仕立てる構想もある。

 11日、市内で記者会見した顕彰会の原田茂会長(84)は「証言を残す必要性を強く感じる。平和の発信に役立てたい」と語った。製作費の協力を募っている。事務局☎0834(21)0075。(井上龍太郎)

(2022年10月12日朝刊掲載)

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