×

ニュース

核兵器廃絶へ継承誓う 松江で原爆死没者慰霊式典

 島根県内の原爆死没者の慰霊式典が12日、松江市の北公園にある原爆慰霊碑前であった。被爆者や遺族、母衣小の児童たち約130人が参列し、核兵器のない世界の実現を願った。

 県原爆被爆者協議会の本間恵美子会長(72)=同市=が、新たに5人の死没者の名前を記した名簿を碑に納めた。今年、被爆2世として初めて会長に就いた本間会長は「被爆者の心のよりどころとして、協議会の団結と継承に使命感を持って努める」と式辞を述べた。

 0歳の時、長崎市で入市被爆した浅野・アリーシア・敦子さん(77)=松江市=は平和への誓いを読み上げた。「ロシア、ウクライナの戦争で絶対に核を使ってほしくない。『ノーモアヒバクシャ』の思いを子どもたちも心に刻んでほしい」と願った。

 式典では、県内の被爆者に寄り添ってきたなどとして、同協議会の原美男前会長(95)と山根義一副会長(93)に対する知事感謝状の贈呈式もあった。

 3月末現在、県内の被爆者は612人(前年同期680人)で、平均年齢は90・06歳となっている。(寺本菜摘)

(2022年10月13日朝刊掲載)

年別アーカイブ