×

ニュース

「母国で日本語教えたい」 ウクライナ避難民のナタリアさん 福山の専門学校に入学 夢描く

 ロシアによる侵攻でウクライナから福山市に避難したフェドロフスカ・ナタリアさん(33)が、穴吹国際みらい専門学校(入船町)の日本語学科に入学した。一人息子のアレクシーちゃん(3)を育てながら学び、祖国で日本語を教える夢を描く。

 ナタリアさんは首都キーウ(キエフ)からポーランドやトルコを経て、6月に来日した。千葉県内の避難所に滞在した後、身元保証人となってくれた知人を頼り、9月に福山市に移った。現在は市や官民でつくるふくやま国際交流協会の支援を受けながら、市営住宅で暮らしている。「まわりの人は皆、やさしくて落ち着く」と話す。

 母国ではダンスを教えており、避難前にも5回、指導のために来日した。福山市や周南市などを訪れており「日本とのつながりを大切に思う」。キーウには姉一家が残り、母や祖母はドイツに避難した。ウクライナ情勢を伝えるニュースに触れるたびに「とても心配で心が痛む」と話した。

 ナタリアさんはアレクシーちゃんを保育所に預けて通学する。入学式を終え、「日本語を上手になって、戦争が終わった後に母国で教えたい」と意気込んだ。福田稔校長は「日本語学習に加え、悩みの相談などもしっかりサポートしたい」と話していた。(江川裕介)

(2022年10月14日朝刊掲載)

年別アーカイブ