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被爆者手帳の申請後押し 「黒い雨」被害者向け 支援団体が相談会 中区

 広島原爆の「黒い雨」の被害者たちを対象に、被爆者健康手帳交付についての無料相談会が16日、広島市中区の広島弁護士会館であった。弁護士たちでつくる支援する会が実施。4月に導入された被爆者認定の基準で手帳を交付されていない人や遺族たち約50人が参加した。(加田智之)

 1歳の時に安佐北区で黒い雨に遭ったという男性(78)=安佐北区=は「幼かったので記憶がなく、どうせ無理だろうと思って今まで申請していなかった。どうすればいいか全然分からなかったので、来てよかった」。個別相談での助言を踏まえて申請するという。

 支援する会の竹森雅泰弁護士は、申請のポイントを解説した。母親が亡くなっている場合の「胎内被爆者」の審査では、母親の診断書で肝硬変など11種類の疾病が証明できれば、子に手帳が交付されると説明。「診断書で11の疾病のどれかが『死因』となっていればいい。死因でなければ母親のかかりつけ医などに相談してほしい」と促した。

 新基準を巡っては、黒い雨に遭ったことが説明できずに審査が滞ったり、申請中に死亡した申請者の審査を打ち切ったりする問題があった。竹森弁護士は乳幼児で黒い雨の記憶がなくても「降雨地域にいたと当時の戸籍などで立証できれば申請できる」と述べた。

(2022年10月17日朝刊掲載)

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