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平和首長会議が広島でスタート 露核威嚇下で連携へ

 世界の約8千都市でつくる平和首長会議の設立40年記念の総会が19日、広島市中区の広島国際会議場で開幕した。5年ぶりの開催で、オンラインを含め21カ国113都市が参加。ウクライナに侵攻したロシアが「核の脅し」を繰り返す中、20日までの日程で「核兵器のない世界」に向けた連携を確認する。

 国内85市区町村約140人と、海外8カ国8都市約20人の計約160人が会場で出席した。オンラインは14カ国20都市。事務局によると、ロシアの加盟67都市のうち唯一申し込んでいたボルゴグラード市は、初日の参加を確認できなかった。ウクライナの加盟全5都市は参加申し込みがなかったという。

 会長の松井一実市長は開会行事で、核兵器使用の懸念が高まるウクライナ情勢に触れ「われわれは危機的な状況を招く動きを押しとどめるため、行動しなければならない」と強調。国連のグテレス事務総長はビデオメッセージで「世界はヒロシマ、ナガサキの痛ましい教訓が忘れ去られる危機にひんしているが、諦めてはならない」と訴えた。

 会議では若者たちを対象にした「サポーター制度」創設を決定。役員の選任では、1987年から副会長都市を務めたボルゴグラード市など海外3都市がこの日の任期満了で留任を希望しなかったと報告された。

 また、被爆者の梶本淑子さん(91)=広島市西区=の証言や加盟都市による平和活動の発表もあった。20日は、核兵器廃絶に向けた共同宣言「ヒロシマアピール」を採択する。

 総会は原則4年に1度だが、新型コロナウイルス禍で延び、広島市での開催は9年ぶりとなる。(小林可奈)

平和首長会議
 1982年6月、当時の荒木武広島市長の提唱で広島、長崎両市が前身の「世界平和連帯都市市長会議」を設立。2001年に平和市長会議、13年に現在の名前へ改称した。会長は歴代の広島市長が務めている。今月1日時点で166カ国・地域の8213都市が加盟。

(2022年10月20日朝刊掲載)

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