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ドーム前 笑顔の傘開く 世界各地の子ども撮影 平和の大切さ訴え 映像作品で発信へ

 広島市中区の原爆ドーム前で22日、世界各地の子どもの笑顔をプリントした傘約50本を一斉に開く催しがあった。ウクライナに侵攻したロシアが核兵器による脅しを強める中、平和の大切さを伝えようとNPO法人メリープロジェクト(東京)などが企画。映像作品にまとめ、市内の平和イベントやインターネットで発信する。(水川恭輔)

 傘には、侵攻前のロシアとウクライナ、地震・津波で被害を受けたインドネシア・アチェ州、東日本大震災の被災地など国内外で撮影された笑顔の子どもをプリント。呼びかけに応じた市民約50人がドームの前で開いた傘を左右に揺らしたり、手を振ったりして楽しい雰囲気を醸し出した。

 現地では福山市出身の映画監督中野裕之さん(64)が映像を撮影。傘でドームそばの噴水の周りを囲む様子や、原爆の子の像の前に傘を並べた光景も収めた。映像作品にまとめ、11月10~13日に広島市などである平和イベント「ピースフルシアター」の3日目にコジマホールディングス西区民文化センターで上映される。

 同法人は笑顔の傘を一斉に開く同様の取り組みを国内外で続けており、広島市での開催は12年ぶり。水谷孝次代表(71)は「一つ間違うと核戦争になる恐ろしい状況だからこそ、新しい平和のメッセージを広島から発信したい。ロシアのプーチン大統領にも映像を見てほしい」と話した。

(2022年10月23日朝刊掲載)

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