×

ニュース

[2023広島サミット] おもてなし研修に力 外国人客対応へガイド団体など

交通・観光事業者対象 異文化への配慮など伝授

 来年5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、広島県内の通訳ガイドの団体や各地の観光協会が、地元の交通や観光の事業者を対象に外国人観光客のおもてなしの研修に力を入れている。新型コロナウイルス対策に伴う入国制限が撤廃され訪日客の増加も見込まれる中、異文化への配慮やコミュニケーションのこつを伝える。(久保友美恵)

 ひろしま通訳・ガイド協会(中区)が25日に広島市中区で開いた研修会。協会メンバーの河村玲美さん(46)が、非接触型の体温計について「いきなりおでこに当てると恐怖を感じる外国人もいる」と解説すると、タクシー運転手やフェリー会社の社員たち参加者23人が熱心にメモを取った。宗教による食事のルールの違いや、翻訳アプリの使い方の説明もあった。

 市内で観光遊覧船事業を手がける水野舞実さん(43)は「サミットを機に外国人観光客が増える。良いコミュニケーションが取れるよう準備したい」と、研修会に参加した。

 研修は外国人客への対応を強化する観光庁の事業の一環。同庁が研修を開く団体を募り、開催費用を負担している。5月にサミット開催が決まって以降、県内からの応募が相次ぎ、本年度は既に呉市や廿日市市の観光協会など計10団体が研修を開いたという。

 全国通訳案内士234人でつくるひろしま通訳・ガイド協会もサミットを見据え、外国人対応の基礎知識などが学べる独自の講習プログラムを作った。今後も飲食業者や宿泊業者の受講を見込む。今田裕子事務局長は「培ってきた知見を広く伝え、広島の観光振興に貢献したい」と力を込める。

(2022年10月28日朝刊掲載)

年別アーカイブ