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「ヒロシマの教訓 共有を」 ポーランド副大臣、慰霊碑に献花

 ポーランドのマルチン・プシダッチ外務副大臣(37)が29日、広島市中区の平和記念公園を初めて訪れた。原爆資料館で被害の実態に触れ、「ヒロシマの悲劇は二度と繰り返されてはならない」と強調した。

 滝川卓男館長の案内で資料館を見学し、被爆者の写真や衣服などの遺品に見入った。原爆慰霊碑にも花を手向けた。公園内で松井一実市長と懇談し、「今こそヒロシマの教訓が全世界で共有されなければならない。日本と共に平和文化を築きたい」と話した。

 一方、取材に対し、自国の核抑止力を強めたい意向も示した。ポーランドは、欧米の「核同盟」である北大西洋条約機構(NATO)の加盟国。ドゥダ大統領が米国に対し、自国への核配備を打診したとの報道もある。プシダッチ氏は「核抑止はロシアに抵抗するために重要な警告。戦争を止め、皆と再び平和な関係に戻るよう求める」と述べた。

 プシダッチ氏はこの日、市内であった在広島ポーランド名誉総領事就任式にも出席した。(湯浅梨奈)

(2022年10月30日朝刊掲載)

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