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戦争も災害も 悲しみ同じ 東日本大震災で次女の遺骨捜した木村さん 学生たちと似島訪問 歴史学び継承誓う

 東日本大震災で家族3人を亡くした木村紀夫さん(57)=福島県いわき市=が28日、多くの原爆犠牲者が埋葬された似島(広島市南区)を訪れた。津波で犠牲になった次女汐凪(ゆうな)さん=当時(7)=の遺骨を捜し続けてきたことから、遺骨収集が進められた似島の訪問を希望。代表を務める地域団体でスタディーツアーを企画した。

 記者志望の学生たちと訪れた木村さんは、似島歴史ボランティアガイドの会の宮崎佳都夫会長(74)の案内で、遺骨が出土した慰霊の広場や旧陸軍の施設跡地を巡った。似島平和資料館では発掘調査で見つかった被爆者の遺品などに見入った。「戦争と災害という違いはあるが、骨を捜した状況が自身と重なった。被害を次代に伝えていく拠点づくりに福島でも取り組みたい」と話した。

 木村さんは、来月1日まで広島県内に滞在。旧陸軍被服支廠(ししょう)(広島市南区)や原爆資料館(同市中区)などを巡り、被爆者と交流する。30日午後7時から9時まで、木村さんと広島の若者が原爆と震災の記憶の継承について話し合うトークイベントがカフェ「ハチドリ舎」(中区土橋町)で開かれる。ハチドリ舎☎082(576)4368。(猪股修平)

(2022年10月29日朝刊掲載)

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