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ADC賞グランプリに 「ヒロシマ・アピールズ」ポスター 「原爆の理不尽さを表現」

 アート作品の監督でつくる東京アートディレクターズクラブ(ADC)は1日、優れたポスターや広告を表彰することしのADC賞のグランプリに2021年版の「ヒロシマ・アピールズ」ポスターを選んだ。デザイナーの大貫卓也さん(64)=東京=の作品で「戦争と原爆の理不尽さをストレートに表現している」と評価した。

 ポスターは、スノードームの中の白いハトに、原爆や「黒い雨」を想起させる黒い粉を散らした様子を描いている。21年5月~22年6月に発表された約6千点の応募作品の中から最優秀の賞に輝いた。

 ADC事務局は授賞理由について「原爆を後世に伝えたいという意欲が胸を打つ。人類が背負う課題を浮き彫りにしている」と説明。大貫さんは「原爆の存在を後世へ伝えていく現代の語り部として、デザイナーにできることがある。平和な未来に向けてコミュニケーションは不可欠であると再認識し、表現活動を続けていく」とのコメントを出した。

 ADC賞は1957年に始まり、今年は14作品が入賞した。大貫さんのポスターは、30日まで東京都中央区のギンザ・グラフィック・ギャラリーで展示される。日祝日休館。無料。(宮野史康)

(2022年11月2日朝刊掲載)

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