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平和と美 文化の日イベント 広島での発信多彩 若者が創作劇・演奏 美術館長コラボ対談

 文化の日の3日、広島市中心部で音楽や美術の魅力に触れるイベントがあった。若い世代や市民団体が平和への願いを演劇や音楽を通じて発信し、市内の二つの美術館の館長がそれぞれの施設の特徴を紹介。市民たちは芸術の秋を楽しんだ。(石井雄一)

 広島国際会議場(中区)では、市が毎年11月を平和文化月間と定めたのに合わせ「市民平和文化イベント」があった。県内の小中高生や大学生を中心にした12団体が、ヒロシマを題材にした創作劇や平和の取り組みを舞台や展示で発表した。

 安佐南区長束を拠点にする長束ブラスアンサンブルは、被爆ピアノの演奏も織り交ぜ「ハナミズキ」などの曲を披露。メンバーの会社員亀山和花(のどか)さん(20)は「音楽で笑顔が広がってほしい」と願った。

 会場には、銅板の折り鶴を作る市立広島工業高(南区)の体験ブースや、来年5月に広島市で初めて開催される先進7カ国首脳会議(G7サミット)をPRする展示も並んだ。安芸高田市の農業国木祐二さん(65)は「若者が平和を伝えようとする姿は頼もしい」と話した。

 県立美術館(中区)では、同館で開催中の市現代美術館(南区)との初の合同展に合わせ、両館長の座談会があった。市民たち約80人が聴講。県立美術館の千足伸行館長は、今回の展覧会を「新鮮な気持ちで見ることができる」と語った。市現代美術館の寺口淳治館長は、展覧会の作品の画像を紹介し「被爆地をテーマにしたコレクションが、市現代美術館の軸」と解説した。

(2022年11月4日朝刊掲載)

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