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[2023広島サミット] 炭素税導入・核戦力開示を 目指すべき成果 大学生が提言

 外務省は5日、来年5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)の目指すべき成果について大学生が提言する「国際問題プレゼンテーション・コンテスト」を東京都内で開いた。国際的な気候変動対策としての課税の仕組みづくりや、核戦力の透明性向上を中国に求める意見が上がった。

 59組81人の応募のうち、書類審査を通った5組9人が出席した。早稲田大政治経済学部3年の馬場仁子さん(21)と渡辺航大さん(20)は気候変動対策として、貿易時の国際的な炭素税の仕組みを提案。「経済的相互依存を深め、国家間の分断の解消と協調を促せる」と説明し、最優秀賞に当たる外務大臣賞を受賞した。

 優秀賞に選ばれた慶応大総合政策学部3年の万田義和さん(22)は、核拡散防止条約(NPT)再検討会議などで多国間の軍縮交渉が停滞していると指摘。軍備増強を続ける中国に、核戦力の情報開示や、保有する核弾頭の上限を公表させるよう主張した。このほか、食品ロスを減らし貧困対策につなげる案や、アフリカへの医療支援の充実を求める意見も出た。

 審査委員長を務めた学習院大法学部の石井正文特別客員教授は「どの提案も論理的な思考を積み重ね、説得力があった」と評した。コンテストは外交政策や国際情勢への関心を高めてもらおうと1983年度からほぼ毎年開き、38回目。(中川雅晴)

(2022年11月6日朝刊掲載)

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