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大型旋盤 69年ぶり呉に 戦艦大和の主砲を削り出し ミュージアムで展示へ

 世界最大級の戦艦大和の主砲を削り出したとされる大型旋盤が4日、広島県呉市の大和ミュージアム近くの港で貨物船から陸揚げされ、69年ぶりに呉の地に戻った。市がクラウドファンディング(CF)で輸送設置費などを募り、約2億7千万円が集まった旋盤。一目見ようとするCF支援者やファンも駆け付けた。

 旋盤は輸送のために九つの部品に分解され、新たに塗装された後、2日に兵庫県播磨町の工場から呉港へと海上輸送されていた。

 陸揚げ作業には、所有する機械加工の「きしろ」(兵庫県明石市)社員たちが当たった。貨物船に積まれた部品にワイヤを取り付け、張り具合などを確認。呉海軍工廠(こうしょう)で使用され、大和の部品も運んだとされる起重機船さんこう(5011トン)のクレーンでつり上げ、一つずつ慎重に陸上へと移動させた。

 旋盤は呉市へ寄贈。7日から同社の社員が組み立て、完成すると長さ約16メートル、高さ約5メートル、重さ約160トンになるという。同ミュージアム敷地内で整備中の専用施設で展示される。学芸課の兼光賢課長は「期待に応えられるよう、決意を新たにした」と話した。(仁科裕成)

(2022年11月5日朝刊掲載)

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