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被爆証言を絵筆で表現 中区 基町高生の45点展示

 被爆者の証言を聞き取り、基町高(広島市中区)創造表現コースの歴代生徒たちが描いてきた「原爆の絵」の展示会が、中区の広島国際会議場で開かれている。13日まで、ことし完成した新作17点を含む45点を紹介する。無料。

 原爆がさく裂した瞬間の光や川面を埋め尽くす無数の遺体、亡くなった子を背負ってぼうぜんとする母親…。生徒が若い感性を研ぎ澄まして、被爆者の脳裏に刻まれた「あの日」の記憶を絵筆で表現している。復興に歩みだす広島のまちの様子もある。

 会場を訪れた西区の松原良一さん(69)は「証言だけでは分からない原爆の惨状が伝わってくる。体験をしていない高校生は悩みながら取り組んだのだと思う」と話していた。

 同高は原爆資料館(中区)の依頼をきっかけに、2007年度から「原爆の絵」を制作し、これまでに208点が完成。在校生たちは、すでに新作に取り掛かっている。(宮野史康)

(2022年11月9日朝刊掲載)

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